立ち耳は、お顔に対して耳が横に張り出した状態です。正面からみると耳が大きく見えるのが特徴です。これは「対耳輪」という耳の軟骨の折れ曲がり弱く、耳を頭側へ寝かせる力が働かないために、耳が前を向いてしまう症状です。これらが原因で、めがねがかけられないなどの日常生活に支障をきたす場合には保険適応で治療が可能です。
治療の流れと治療方法
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1.カウンセリング 医師とのカウンセリングの中で十分に話し合い、症状に合わせた治療法をご案内します。
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2.施術・検査 症状に合わせた、手術を行います。大人の場合、局所麻酔のみですむこと多いです。手術時間は状態により異なりますが、片側約45分程度です。
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3.施術後・経過観察 目安として1~2週間後に抜糸します。術後翌日~5日後にガーゼをはずして、シャワー浴・洗髪可能です。皮膚縫合線はほとんど目立たなくなります。
主な治療方法
耳の状態や変形具合によって、様々な治療方法があります。例えば、立ち耳と言われている耳介の変形(奇形)は、耳介の対耳輪が消失してカップ状になっているために前方へ立っている状態です。
手術方法としては、耳の裏側より切開して耳介軟骨の後面を剥離します。耳介軟骨に3~4針ほど縫合糸をかけて軟骨を矯正し、対耳輪の突出形態を形成します。これにより耳介全体が後方へ倒れます。手術は局所麻酔で行い、手術時間は片側約45分程度になります。
これらのほかにも、耳の状態や変形具合によって様々な方法があります。通常は日帰り手術となりますが、変形が重度な場合や、小児の場合は入院が必要となることがありますので、その際は関連施設をご紹介させて頂きます。
治療に関するよくある質問
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元に戻ってしまうことはありませんか?
- 効果は半永久的です。手術では後戻りしないよう確実に固定して縫合しますので、耳に大きな負荷がかかるような外傷などが無い限りはもとに戻ることはありません。
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どれくらいで手術痕はめだたなくなりますか?
- 術後1週間程度は腫れが目立つことが考えられます。また、抜糸までは傷口にガーゼをしていただきますので、これが目立つ場合があります。抜糸後は耳の裏側に傷跡が来るため、ほとんど目立つことはありません。
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術後の過ごし方は?
- 創部が濡れなければ、手術当日よりシャワー可能です。術後1週間ほど軟膏ガーゼでの圧迫が必要となります。日常生活に特に差しさわりはありませんが、抜糸を終えるまでは、激しい運動や湯舟につかる入浴、アルコールなどは控えていただきます。
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傷跡が目立ちませんか?
- 傷跡は耳の裏側になりますので、正面からは目立ちません。また傷跡自体も時間とともに目だたくなります。
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術後の痛みがありますか?
- 術後の痛みは手術当日~翌日(約24時間)は多少あります。 鎮痛剤にて痛みをコントロールしますので心配はありません。翌日以降は痛みは徐々におさまります。